2008年11月02日

だから清の墓は小日向の養源寺にある

先日、打ち合わせが終わって、話が漱石や太宰、三島由紀夫に及びました。

P1040327.jpg  実は内心ちょっとうろたえていました。
 だって10代後半から20代の読書ですから。
 すでに青春の遠花火です(^^;;

 若い編集者(女性)は漱石なら『こころ』が好き、
 『坊ちゃん』はちょっと苦手……。
 ますます言いづらいなぁ、
 『坊ちゃん』のほうがいい、特に清がなんて。
 
久しぶりにひっぱりだしましたよ、岩波文庫の『坊ちゃん』。

この小説、最後がこうです。
P1040328.jpg

  死ぬ前日おれを呼んで坊ちゃん後生だから清が死んだら、 坊ちゃんのお寺へ埋めてください。 お墓のなかで坊ちゃんの来るのを楽しみに待っておりますと言った。
 だから清の墓は小日向の養源寺にある。





これが一番美しい「だから」の使い方と言ったのは井上ひさしだったでしょうか。


↓一方、こんな川柳があることを、昔、教室で教わりました。


  去り状をくれろといはず風吹けば (江戸川柳)


あんたなんかにゃ愛想が尽きた、
さっさと離縁状をお書き。
……そんなことは決して言わなかったよなぁ、伊勢物語の筒井筒のあの女は……

浮気でもばれたのでしょうか、江戸の馬鹿な男の身勝手な嘆き節が聞こえてきそうです。


きっと男はいつだってだらしない馬鹿者です。
そのだらしなさでさえ、いざとなれば許してもらえると高をくくっている。

しまつにおえません。

坊ちゃんと江戸川柳男、ともに母性を求める同じ系譜上にあるような気もします。
もしかして平安から現代に至るまで綿々と続いているのかもしれません。


うーん、もしかして女性の理解の外かもしれませんね(汗)



posted by 長谷川 泰志 at 23:24| Comment(2) | 長谷川ゼミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
先日は、ビールと出汁巻きありがとうございました笑。ようやくコメントできます…

私も、昨日今日と、夏目漱石やら三島由紀夫やら森鴎外やらひっぱりだしてみましたよ。
なぜ、「こころ」はOKで「坊ちゃん」はNGなのか…うーん…
過去の恋愛は時がたつほどに美化されるけれど、現在の恋愛と言うものは進行形で徐々に腐敗していくものだからかなと。
だから過去の懺悔を綴る「こころ」がよりロマンティックなお話で、私の心をくすぐるのかなぁ。などと青臭く考えてみたり。

そういえば、高校生のとき、三島由紀夫の「葉隠入門」で、一説だけは読んだときから惹かれて暗記しているものがあります。
「恋死なん 後の煙にそれと知れ つひにもらさぬ中の思ひは」
そういう微妙な潔さが見える(コレは重要)ロマンティックなものに惹かれるのが女心というものなのです、たぶん…(少なくとも私は)
だから私は「ノルウェイの森」を読み終わった後の、読後感が気持ち悪くてたまらないのか!と今頃納得したりしましたが(苦笑)

今度お会いするときまでには、日本一美しい接続詞が使われている「坊ちゃん」、日本一美しい文章の「高瀬舟」を改めて再読してみます。

では、忘年会企画が本格始動し始めたら、また連絡しますね〜!
Posted by F@1期長谷川ゼミ at 2008年11月04日 00:52
Fさんコメントありがとう。
1期生のみなさん、忘年会楽しみにしています!
Posted by 長谷川 at 2008年11月04日 17:47
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